愛&ハート221号

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あいハート須磨3回連続シリーズ「認知症高齢者」と向き合う●「認知症高齢者」と向き合う●シリーズ三回目(最終回)となる今回は、認知症ケア委員会を発足させた動機とこれからの取り組みについて、広く皆様にも知....

あいハート須磨3回連続シリーズ「認知症高齢者」と向き合う●「認知症高齢者」と向き合う●シリーズ三回目(最終回)となる今回は、認知症ケア委員会を発足させた動機とこれからの取り組みについて、広く皆様にも知っていただきたいと思います。全国で認知症を発症するであろうと予測される高齢者の人数が二〇二五年には七〇〇万人を超えると発表されました。六五歳以上の高齢者のうち、五人に一人が認知症を発症する計算となります。特養・ショート部門においても認知症高齢者の日常生活自立度判定において、ランクⅢ以上(日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする状態の方)が六割以上を占めているのが現状となっています。私たちの施設でも社会問題が身近に実感できる状態となっています。超高齢化社会に突入し認知症高齢者が急増する中、支援者である私たちが成すべき事は何なのかを考えたとき、事業団の使命である「共に生き共に支え合う社会の実現」が脳裏によぎったと同時に目指すべき道が明らかになりました。平成二六年度から五カ年計画として、認知症高齢者に対する支援のあり方を考えるべく、認知症ケア委員会を発足させました。また、認知症介護実践者研修に積極的に参加し、専門性に基づいた認知症ケアの実現を目指しているところです。認知症高齢者の中から対象者を選定し、「その人のことを想い。その人のことを考え」を念頭に置いて、試行錯誤しながらケアの確立を目指しています。二年前と比較するとスタッフのコミュニケーション技術は格段に向上したと思います。利用者さんとの会話を聞いているだけで、本当に癒される気分になることもありました。しかし、これだけでは十分とは言い切れません。専門的な知識を身につけているスタッフが少ないことと、小さな変化を見逃さない洞察力にかけている等、様々な課題は残っています。これらを克服できるよう、実践者研修・リーダー研修へスタッフの参加を促していくとともに、誰もが「住みたいと思える施設づくり」「笑顔あふれる施設づくり」を目指した取り組みを継続していきます。最後に、私自身、認知症ケアの真髄はここにあると考えている書籍があります。「フレディの遺言?フレディ松川医師」この書籍の内容に共感させられました。「まず、私が医者だったということを忘れて下さい…今までの自分の記憶や知識・キャリアは認知症という疾患によって遠い彼方へ消え去りました。…私の感情を汲み取って下さい…どうか、私を介護してくれるあたなが、認知症という疾患を理解している優しい優しい人であることを祈っています。…」これからも、心優しいスタッフを育み、高齢者が安心して暮らしていける「施設づくり」を目指していきます。3短期入所部門長宇根知英4 2016年2月221号愛&ハート