愛&ハート226号

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 明けましておめでとうございます。ご利用者やご家族の皆さま、多くのボランティアの皆さまから温かいご支援とご協力を賜り、無事新春を迎えることができたことを心より御礼申し上げます。 昨年は、あいハート須磨....

 明けましておめでとうございます。ご利用者やご家族の皆さま、多くのボランティアの皆さまから温かいご支援とご協力を賜り、無事新春を迎えることができたことを心より御礼申し上げます。 昨年は、あいハート須磨で初めて策定した中期計画(平成28年度から平成30年度までの3カ年計画)の初年度でした。資格取得の推進や認知症介護関連研修の受講、キャリア段位制度の定着化に向けたアセッサー(評価者)やレベル認定者の増員等、人材育成に関する取り組みは、概ね順調に進んでいます。また、前年度に業績が大幅に落ち込んだため、この3年間の収支改善の動向等によって、事業継続の可否を検討することとなっている南町デイサービスについても、事業継続に向けて大きな成果が現れています。 一方で、新規事業の検討やサービス向上に向けた部門別中期計画(平成29年度?平成31年度)の策定については、計画通りの進捗とは言えない状況にあります。新年度まで、残りわずかですが、目標達成に向けて取り組みたいと思っています。 さて、中期計画2年目の今年は、人材育成や収支改善、新規事業の検討等、すでに策定している計画はもとより、人材確保により重点を置いて取り組みたいと思っています。人材確保が年々難しくなっていく中、他府県の福祉系専門学校へのアプローチや大学生向けの広報を開始するなど、ここ数年、これまでにない施策を展開してきました。また、従来から出展している就職フェアについても、より多くの来場者をブースに誘導するために、様々な工夫を重ねてきました。これらの取り組みによって、法人の特徴や労働環境の優位点を、より多くの求職者へ伝えることができましたが、残念ながら採用にはつながっておらず、実績という面では思うような成果が得られていません。今年は、就職フェアや施設見学の際に対応方法を見直すとともに新たな情報チャネルへのアプローチを展開することにより、採用実績をあげたいと思っています。 また、今年は、部門別中期計画の初年度でもあります。各事業部門の責任者がサービスの向上に向けて、初めて中期的な視点で考えた取り組みが実行されます。新たな取り組みを通じて、環境に適応できるよう進化していきたいと思っています。 本年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、2017年が皆さまにとって、幸多き年となりますよう、心からお祈り申し上げ年頭のご挨拶といたします。中期計画2年目と収支改善の取り組みあいハート須磨施設長森本 光弘 謹んで新年のお慶びを申し上げます。 旧年中はご利用者さま、地域の皆さま、NTT労働組合をはじめとする各種団体の皆さまによる格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 あいハート離宮前はお陰さまで沢山の方々から定員を上回るお申し込みを頂戴し、申し訳なくもご入居をお待ちいただいておりますが、遺憾ながらそのひとつの要因が前号であいハート須磨の施設長がお伝えしましたように、職員の確保が窮状を極めました結果の入居制限にございました。 本来、介護の担い手は需要に応じて確保されなければならないのに、急速な少子高齢化により就業者はおろかマクロの観点ではそもそも労働人口が不足していますから、サービスを支える職員が慢性的に不足し、介護職の有効求人倍率が地域によっては4倍を超えるような状況に陥っています。 このように介護業界はこれまでどの産業も直面したことのないような深刻な人手不足にありますが、私たちの仕事は産業界や研究者が考える以上に、機械化が最も難しい労働集約型産業の典型であるとの考えを専門職として持っています。確かに介護ロボットや機械式の入浴設備、排泄用品などの開発・進歩には目覚ましいものがありますが、それらはケアの一端である作業の軽減や快適性など生活の質の向上に一定の範囲では寄与しているものの、私たちが最も大切だと考えていますコミュニケーションやそれによるアセスメントを補うものではありません。また、(厚生労働省が介護分野の労働力不足への対応としてではなく、相手国からの強い要望に基づいてのことだという)外国人介護福祉士候補者の受け入れは、言語や文化、資格の取得といった障壁による相手国の期待に対する成果への懸念はもとより、人手不足解消という部分に於いても恩恵はありませんでした。 このような状況下で社会福祉法人の制度改革が実施される訳ですが、改革の本旨が社会福祉法人として本来あるべき姿を求めているのであれば、まずはサービスを提供する職員の満足度を高めて定着を図るとともに、法人理念やあいハートらしさへの理解を深めることや先輩職員からの技術の伝承、OJTなどによる人財や次世代リーダーの育成こそが肝要なのだと考えています。現場の職員が満足できず、やり甲斐を見出せずに、疲弊してしまっては良いサービスを提供することなど出来ないからです。 P&Gの会長であったリチャード・R・デュプリー氏は「お金とビル、ブランドを取り上げられても、社員さえいれば、10年ですべてを元通りに再建できる。」との言葉を残し、人材の大切さを説いていますが、今まさにそのことが私たちに求められているのだと思います。 このように私たちを取り巻く環境は厳しさを増しておりますが、全職員の精励と英知を結集してご利用者さま、地域の皆さま、そして職員にも喜ばれるホームをめざして一層の努力をしてまいりますので、何卒ご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。 年頭にあたり、皆さま方のますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶といたします。社会福祉法人制度改革の根幹かつ最大の課題あいハート離宮前施設長古崎 徹愛&ハート 2017 年1 月 226 号3