愛&ハート243号

愛&ハート243号 page 7/8

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「共生」は異質性を前提にしているため、「共生が問題とされる」事態は異質さのレベルが大きくなっている状況であると言えます。人間の異質性としては、人種・性別・年齢(世代)が、一般的ですが、今回は少し視点を....

「共生」は異質性を前提にしているため、「共生が問題とされる」事態は異質さのレベルが大きくなっている状況であると言えます。人間の異質性としては、人種・性別・年齢(世代)が、一般的ですが、今回は少し視点を変えて異質性と共生について感じたことを紹介したいと思います。あいハート須磨は、施設の運営方針や介護に対する考え方等を維持するという目的から、永年、介護職員の採用方針として新卒採用を基本にしてきました。他施設の経験が長い職員を採用した場合、あいハート須磨が開設当初から実践している「生活リハビリの考え方に基づいた自立支援」や運営方針の維持が困難になる可能性があると考えていたからです。確かに、新卒者は真っ白な状態で入職するため、考え方を統一(継承)するには効果的な取り組みであったと思います。採用方針を転換する端緒となったのは、2013年のあいハート離宮前の開業でした。オープニングスタッフとして、特養部門から4名の介護職員が離宮前へ異動したことで、中途採用(他施設経験者)による職員補充を実施せざるを得なくなりました。同じ介護職員であっても施設よって業務内容や方法・手順等は異なりますし、施設種別(特養、老健、グループホーム等)が異なれば、違いは更に大きくなりますので、中途採用の推進は異質性を高めることになります。中途採用を積極的に進めるようになり、あいハート須磨にも他施設での経験がある職員が増えてきました。他施設での経験に基づいた認識や問題意識の違いからジレンマが生じることがあるものの、運営方針等の維持が困難になり問題になっているかと言えば、そうでもありません。むしろ、サービスの向上や業務改善が進展するなど、他施設での経験がある職員を採用したことによるプラス効果の方が大きいことを実感しています。あいハート須磨のこれまでの取り組みや考え方が全て適切で正しいということは有り得ないので、他施設や他業種の経験者の視点は、大変貴重だと思っています。また、長く新卒採用を基本にしてきたことによるマイナス面として、「環境変化への適応力が弱い(従来のやり方を変えることへの抵抗感が強い)」ということや「異質なものを活かす風土が形成されにくい」といったことがあるようにも感じています。前回、「共生とは、今あるものとは別のものへと組み直す現象であり、社会の中に様々な違いがあることを認め、かつそれを前提としたうえでまとまりを志向することで、各個人のなかの認識の枠組みが更新されることである」という考え方を紹介しました。現在、あいハート須磨では、中途採用者はもとより外国人労働者やシルバーの方々など幅広く活躍していただいていますので、数年前と比較すると異質性は高くなっていますが、サービスの向上や業務改善に向けた様々な施策を展開する中で、徐々に職員のなかの認識の枠組みが更新されつつあるのではないかと感じています。あいハート須磨施設長森本光弘「共生」を考える3介護職員鈴木一正初めまして。この度10月からあいハート離宮前で勤めさせていただいている鈴木一正(すずきかずまさ)と申します。介護士を志すきっかけとなったのは以前スポーツジムで働いていた時でした。そこには筋力や持久力アップが目的の方、健康保持が目的の方、退院後のリハビリ目的の方と様々な方と接する機会がありました。そこで持病のあるご高齢の一人の方と出会い介護士を目指すきっかけになりました。あいハート離宮前で勤め出してまだ間もないですが、先輩職員を見習い日々成長していけるように精進していきます。宜しくお願い致します。愛&ハート2019年11月243号7